こんにちは!テックイベント運営メンバーのタンです。 今年7月に開催したエムティーアイハッカソンについてお伝えします。
目次
エムティーアイハッカソンとは?
弊社内で行われるハッカソンのことで、社内エンジニアのスキルアップやスキル発表の場として、定期的に開催しております。
今までの開催の様子など、ハッカソン関連記事は こちら からご覧いただけます。
1人から5人ほどの規模でチームを結成し、開発期間2日間でお題に沿ったサービスの考案と動く成果物の作成、翌日の発表審査会にて、各チームしのぎを削り合います!
発表審査会では、審査員による審査の結果、以下のような様々な賞が授与されます。
さらに副賞として自己研鑽のための賞金も獲得できるというイベントとなっております!
- Hacker's大賞
総合的に判断して最も優れていると評価されたもの - テクニカル賞
技術的な観点で優れていると評価されたもの - ビジネス賞
新規ビジネスの創出/既存ビジネスの発展の観点で優れていると評価されたもの - 視聴者投票賞
視聴者の心を最も掴んだもの。視聴者目線で総合的に優れていると評価されたもの - 特別賞
上記賞の観点とは異なった観点で、審査員を魅了し、心を掴んだもの
今回のテーマは!?
今回で7回目となるエムティーアイハッカソンのテーマは
行政オープンデータを活用したサービス
となりました!!!
オープンデータとは?
オープンデータってなんだろうという疑問を持つ人も多いかもしれません。
オープンデータとは誰でも閲覧や使用が可能な形でWeb上に公開されたデータのことです。
行政オープンデータというと、国や官公庁、地方自治体などが公開している人口データ、税金・税政データ、避難所・ハザードマップ等の防災データなどがその例になります。
ただし、どんな形でも公開されていればオープンデータということになるため、サービス開発に使いやすいデータを探すのは結構大変です。
また、オープンデータに準ずるデータの利用も想定して、次のようなルールを決めました。
- RSS等の一般にアクセスできる情報も利用可
- 外部や他社のシステムに負荷をかけないこと(スクレイピングなどを想定)
- 利用規約などの権利の確認は必須
今回はオープンデータに加えて、弊社で提供している Lifesocket のAPIも利用可能としました。 Lifesocketは天気や気象に関する情報を取得できるAPIサービスです。サービスを考える上で行政データとの相性が良いケースもあるかもしれないと考え、事業部より提供していただきました。
どんなプロダクトができたか
2日間の作業を終え、いよいよ発表会と表彰式です。
今回は副社長 泉さん、スマートコンテンツ事業部 副事業部長 龍満さん(技術視点)、ライフ事業部 ライフプラットフォーム部 部長 小川さん(事業視点)に審査員としてご協力いただきました。
全社的にテレワークとなっているので、第6回ハッカソンと同様に全社員参加可能のTeams会議で発表会を開催しました。
2度目のリモート開催だったからか、はたまた長期間のテレワーク経験のおかげか、どのチームも素晴らしい発表を行ってくれました。
各チームの成果物概要を紹介します!
(プロダクト名/チーム名、発表順に掲載)
Abalone / Aチーム
コロナ禍でも旅行に行きたい! しかし、人気の観光地ほど、人の多さが気になり行きづらい!
それなら、「上手に人との接触を避けて、安心・安全に楽しめる魅力的な観光スポットを探せるようにしよう!」というコンセプトのサービスです。
Abaloneでは、観光資源データと滞在先の居住地別人数データを駆使して、
高評価の観光地にもかかわらず人との接触を回避できる穴場観光スポットを簡単に探せます。
地図画面ベースのUIで、地域やカテゴリによる絞込検索、さらには週間天気の情報も確認できて、旅行計画のサポートまで行うという徹底ぶり。
今回は入賞を逃してしまいましたが、コロナ禍でも安心安全に旅行を楽しめるという、時代背景も考慮した素晴らしいサービスを発表してくれました!
Shicho / こなかわ
市政に興味がない人が多いという課題に対し、少しでも市政に興味を持ってもらおうというコンセプトのもとに生まれたiOSアプリです。
興味をそそる市長の交際費データに着目をして、様々な市の交際費の額や用途をリスト形式で確認できるようなアプリになっています。
また、交際費の利用額を用いて、市長同士で対戦させる機能も備えており、ユニークな発想で視聴者を大いに沸かせてくれました!
比較的新しい技術のSwiftUIを短時間で習得して、見事使いこなしたというところを評価されて、テクニカル賞を受賞しました!
小島ダヨ / ショーン
物件を探すときには、駅までの距離といった情報の他にも、
地域にどれだけ犯罪があるか、コンビニ・スーパーは近くにあるか、騒音があるか、などといった情報も気になります。
しかし、既存の物件探しアプリでは、そういった情報が掲載されていません。
これらのニーズを満たし、より良い物件探しを行えるようにしたいという発想から生まれたサービスです。
小島ダヨでは、騒音データや犯罪発生件数データを用いて、地域の安全度や静かさの度合いを地図ベースのUIで視覚的に確認できます。
検索機能もついており、コンビニやスーパー、レストランなどを検索することもできます。
また、ピンポイント地点の総合的な住みやすさも採点できるようにもなっており、物件探しの強力なパートナーとなること間違いなしです!
さらにWebアプリもスマートフォンアプリも用意するという充実ぶり。
短期間で完成度が高いサービスを作成したこと、実用的で、将来性があるサービスということを評価されて、 見事 Hacker's大賞 と 視聴者投票賞 に輝きました!
DIYシティ / プロ推
「オープンデータを活用して、市民の生活の質を高めたい。でも事前に効果を説明できないと、オープンデータの整備自体ができない。」という鶏卵問題で、オープンデータの活用が進められない自治体があるというところから考えられたサービスです。
※ サービス名称の「DIYシティ」は Code for Japan の関氏が発案したDIY都市 を参考にしたとのことです。
DIYシティでは以下の点を大切にして、オープンデータ活用の良さが市民に実感され、行政のデジタル化がさらに進み、QoLが益々高まることを目指します。
- サービスの良さを実感してもらうため、オープンデータ活用の好事例のサービスを構築すること
- サービスの立ち上げを容易にできるよう、構築はノーコードで行いテンプレ化して再利用可能にすること
- 市民の地域を良くしたい想いや行動、市民同士の“感謝”を可視化し、自然とデータが蓄積される仕組みにすること(データ整備のための予算確保の必要がなくなる)
例えば、テンプレの中には「給食のアレルゲン通知サービス」があるのですが、利用の流れを少し説明すると…
- ノーコードのテンプレートを使って、給食のアレルゲン通知サービスを立ち上げる
- 市民の誰かが、サービスに給食の献立表の写真をUpする
- (Wikipediaのように)有志の方が写真からデータ化を進める
- データ化に協力してくれた人には、市民の方から「いいね!」が届く
- データ化によって、市民の方に「アレルゲン情報」が通知されるようになる
のようになります。
DIYシティの名の通り、市民自身がサービスを作って地域に貢献、活性化していけるということですね。市民が自分たちで便利なサービスとなるように作り上げていく、先進的なサービスの形に可能性を感じました。
またデータがすぐに有効活用されることや、貢献度・データ期待度の可視化など、市民自身が継続していけるような仕組みも満載です。
さらにいろんな自治体などに横展開できるようにも考えられていて、ビジネスの可能性に期待がどんどん高まり、とてもワクワクしました!
審査員からの評価も高く、ビジネス視点での可能性を大いに評価され、ビジネス賞を受賞しました!
NurSearch / メテオフォール型開発推進会
保育施設を探す時には、どこにどんな施設があるか、空き状況はどうかなど、さまざまな情報収集を行わなければなりません。
子育てや仕事で忙しい保護者にとって、この作業はなかなかに骨が折れます。
NurSearchはそういった保育施設探しの課題を解消し、簡単に保育施設を探せるサービスです。
NurSearchでは、Webアプリ上で、
- 住所
- 受け入れ可能な子供の年齢
- 施設名
といった情報でフィルタリングをかけて、簡単に施設を探せるようになっています。
また施設の情報として電話番号も記載してあるので、入所したい施設にすぐにコンタクトを取ることもできます。
保護者にとって、短時間で簡単に受け入れ可能な保育施設が探せるのはとても便利ですよね。 待機児童問題の改善にもつながる、とても需要がありそうなサービスだと感じました。
今回は入賞を逃してしまいましたが、保育施設の満足度を閲覧できるようにするなど、機能追加を重ねることでより良いサービスに成長していけること間違いなしです!
Foto/ SagradaFamilia
カメラ初心者をターゲットにしたサービスです。
初心者のうちは、どこで、いつ、どんな天気で、どんな角度で、どんな設定で撮影すればいい写真が撮れるのだろうと悩む方も多くいるはず。
加えて、いい写真の撮り方を検索しようと思っても、検索すること自体もなかなか難しいのではないでしょうか。
Fotoはこのカメラ初心者の悩みを解消するために生まれたサービスです。 写真を投稿・共有できるSNS形態のサービスですが、一味違うのが撮影時における条件も載せられるということ。 その条件を真似して撮影を行えば、初心者であっても経験者が撮影したような写真を撮影できるというわけですね。
初心者のうちはいい写真を撮るためのノウハウを学び、勝手がわかってきたら今度は経験者としていい写真を発信していける。
初心者も経験者も利用できる、カメラ専用のSNSとして市場を席巻しそうな予感がしますね!
新卒のみで構成されたチームにもかかわらず、先輩社員と堂々と競う素晴らしい力を見せつけ、見事特別賞を受賞しました!
おわりに
今回はオープンデータという広い括りをテーマにしたこともあり、 多種多様で面白いサービスがたくさん出てきました!
参加者の皆さんの柔軟な発想や着眼点の良さ、実現したいものを短時間でしっかり作り上げる技術力には驚かされるばかりでした。
審査員、視聴者の皆さんのコメントやリアクションも大いに場を盛り上げてくれて、無事に大盛況でイベントを終えることができました!
皆さんに感謝の意を表します。
今後も様々な試みを行い、より良いイベントを作り上げていけるように精進していきたいと思います!