はじめに
こんにちは!エムティーアイの片山です!
といっても業務に関わり始めたのは8月からなので、まだまだ勉強途中の新人ですが…
それはさておき、10月から1ヶ月を使ってデザインスプリントを導入したプロジェクトに携わったので、今回の体験について感じたことを紹介したいと思います!
エムティーアイ式…?スプリント開発
スプリント開発とはデザインスプリントなどの手法を用いて短期間でサービスをつくる開発手法です。
今回のプロジェクトでは、3 week(+学習期間の 0 week)を通して
- ターゲットとなるユーザを決め、そのユーザにとっての価値を考える
- インタビューなどで価値を検証する
これらを繰り返し、最終的に価値を体感してもらえるMVP(Minimum Value Product)の作成を目指しました!
この手法を勝手にエムティーアイ式スプリント開発と命名しています。
それでは、このエムティーアイ式スプリント開発でやってきたことを簡単にご紹介します!(実際は何度も戻ったりしてこんなにきれいに進んだわけではないですが・・・)
プロジェクト始動!
プロジェクトキックオフとチームメンバーの顔合わせ! オフィスの一角をお借りして活動開始です!
始めにインセプションデッキを作成し、どんなユーザに向けて、何のためにサービスを作るのかみんなですり合わせていきます。
きれいな時に写真を撮ってなかったのですべてが終わった後の作業スペース
ターゲットユーザにとっての価値の仮説
様々なフレームワークを通して、時には身近な人に聞きながら、ユーザのニーズと価値を追求していきました!
チームメンバーみんなで集まって話し合いをしている様子
今回行ったフレームワークをちょこっと紹介
カスタマージャーニーマップ作成
この辺りは知っている人も多いかと思いますが、ペルソナをジャーニーさせていきます。 ここで初めて知ったのが(常識かもしれませんが)ジャーニーさせるときはAs isとTo beの2つを用意すること。それぞれで考えなければいけないことが違うのではっきり分けないといけないんですね。
As is (普段の生活のジャーニー)
普段の生活を朝から晩まで想定し、その時その場面の思考や感情を通して、どんな課題があるのかを考える
To be (サービスに出会うときのジャーニー)
どんなチャネルでサービスに出会う可能性があるのか、サービスを使った時のユーザの思考や感情から使ってもらう、使い続けてもらうために必要なことは何かを考える
フォースフィールド分析
ある議題についてみんなで推進力(やるべきだという理由)と抵抗力(やめたほうがいい理由)をあげて可視化し、チーム内の意思決定を行ったり、不安要素に対する対策を考えるためのフレームワーク。 今回のチームでは出なかったのですが、このフレームワークで見えないだけで大きい不安要素が見つかったりすることも・・・
シックスカップ
あるテーマに対して、こんな伝え方、見せ方がいい!こんな方法があると思う!というのをみんなで絵にして出し合い、具体的に作っていくものをあげるフレームワーク。 面白いアイデアやその人のこだわりなどいろんなアイデアが出てきて楽しかったです!
他にもここには書ききれないほど色々なフレームワークを行いました!とにかく頭を使うことが多かったのでなかなか大変です・・・
インタビューによる価値の検証
これまでに立てた仮説や機能などを検証するため、社内・街頭インタビューを敢行!どんな内容を聞くかを話し合い、質問事項を決めてからターゲットに近い層に対し、インタビューを行いました!
生の声を聴いていると、想像で考えていただけでは見えなかった部分や新しい課題などいろいろなところが見えてきます。ただ、仮説に対して間違った点があれば、価値を設定するところまで手戻りになります・・・
チームで街頭インタビューに向かった際の様子
MVPを体感できるものづくり
価値の仮説を立て、インタビューで検証することを繰り返すことで、MVPを定めていきます。
MVPとしてどんなものを作るのかだんだんと固まってくると、デザイン担当を中心にモブプログラミングならぬモブフレームワイヤーづくりを行いました。
作っている最中にもあれやこれやと議論が起こったりと、なかなか大変です(書いているデザイン担当の方が一番大変だったかと思いますが)。
ビジネスオーナーによる最終判断
途中、経過報告も行っていましたが、最後にできたモックやこれまでの経緯などを話し、事業化するかどうかをビジネスオーナーに判断していただきました。
私もビジネスオーナーにロジックを説明する役割をもらい、ドキドキしながらもなんとか説明を終え、良い感触を得た形で今回のこのチームでのお仕事は終了。
この後はビジネスモデルを考えながら事業化するかどうかを決めていくようです。
エムティーアイ式スプリント開発のメリット
今回は時間的な制限などもあり、モックという形でMVPを体感してもらう形になりました。開発としてはもう少し作りこみたいところですが、この手法によって開発にとっても様々なメリットが挙げられます。
事業判断が早い
今回の手法で事業開発を進めることにより、早い段階で最大の価値を見出し、ビジネスとして成り立つか判断するまでを最小限の期間で実現することができます。
ユーザ視点に立ったサービス作り
価値を考え、検証することで、課題を明確にし、課題を解決する方法として、ユーザにとってどういった形がうれしいか、どう見えたらよいのかといったユーザ視点の立場に立った開発ができます。開発は技術的視点に目を向けがちですが、サービスとして作るなら実際に使うユーザ視点は何よりも大事。開発がユーザへの価値を理解することで、よりよいサービス作りに結び付くのではと思います。
終わりに
今回のプロジェクトを通して、感じたことは
開発の価値≠ユーザにとっての価値
ということです。 開発の立場から言うと、こんなことできたら楽しそう!とかこんなことできたらすごい!って結構あると思うんですが、これがユーザにとっての価値につながるとは限らないんですよね。
例えば、これまで調べようにも調べられなかったことを知らせてくれるサービスを作ったとして、届けられる情報が知りたいと思わない、なんてこともあるかもしれません。
大事なのはどんな価値を届けられるかで、開発はあくまでも手段にしか過ぎないんですよね(今回のプロジェクトでも何度か見失っちゃいましたけど)。
あらゆるサービスが飽和しつつある今、ユーザ視点でモノを作れる開発者が面白いものを生み出し続けられるのではないかなと思います。
開発をしているとついついできることの範囲で思考が狭くなってしまいがち、任された仕事をやるだけになってしまいがちですが、
自分の作ったものでユーザのどんな困っていることを助けられるのか、楽しませられるのか
そんなことを考えるいい機会になったと思います!