こんにちは。
アーキテクト見習いの 小池@テックイベント運営エンジニア です。
スマートスピーカーを活用したシステムやサービスのアイデアヒントをいただくため 株式会社ヴァル研究所 の飯塚様、クラスメソッド株式会社 のせーの様、LINE 株式会社 の橋本様という超豪華なゲストをお招きして社内講演会を開催しました。
弊社では社内技術イベントの一環としてハッカソンを実施しています。
今回のテーマは「スマートスピーカーを活用したシステム/サービス」というなんともざっくりとしたテーマです笑。
そんなハッカソンに向けたインプットフェーズとして、今後のサービス企画へのヒントとして、ハッカソン参加者も非参加者も、開発者も企画者も・・・多くの社員で興味深く聴講させていただきました。
今回の記事では少しづつですが、印象に残った部分をレポートとしてご紹介いたします。
ヴァル研究所 飯塚様
ヴァル研究所は「駅すぱあと」が有名ですね。
駅すぱあと関連の Alexa スキルとして 運行情報 by 駅すぱあと や 駅しりとり powered by 駅すぱあと があります。
飯塚様は運行情報 by 駅すぱあとの開発に携わっていて、その経験からスマートスピーカーアプリを開発する上で考慮すべきことや、気をつけるべきことをご紹介くださいました。
3つの「ま」
使えるスキル のための3つのキーワードを伝授してくれました!
またせない
- スキルを利用するために毎度長々と音声だけで使い方説明をされるのはユーザーにとって苦痛
- → スピーカーからの発話は必要最低限にして、詳細説明は「ヘルプ」などの音声コマンドから聞けるようにすると良い
まよわせない
- フローが複雑(会話内容による機能分岐が多いなど)だと使い方のイメージができず、ユーザーがとっつきにくい
- → なるべく機能単位で一本道のフローになるようにする
- → 必要な機能だけに絞る
- ある機能への導線が一つしかない(使いたい機能にたどり着くまで時間がかかる)
- → どこからでも呼び出せるショートカットを用意する
- → 例: 出発駅と到着駅を同時に指定して運行情報を取得する
まちがわせない
- 特定の言葉でないと反応しない(OK: 運行情報、NG: 運行状況)など、ユーザーに一言一句覚えることを強要すると使ってもらえない
- → ユーザーの発話を想像して可能性のあるワードを複数登録する
- ユーザーに求めるワードが長い(例: 「京浜東北・根岸線の場合は、『京浜東北・根岸線』、武蔵野線の場合は、『武蔵野線』と言ってください」)と誤認識の確率が上がる
- → 「はい/いいえ」や「1番、2番、・・・」などの選択肢を用意する
- → 例: 「京浜東北・根岸線の場合は、『1番』、武蔵野線の場合は、『2番』と言ってください」
ユーザーは (手ではなく)声で操作し、(目ではなく)耳から情報を得る ということを忘れずに!
ちなみに飯塚様は実際に運行情報のデモも交えてご説明くださいましたが、講演時間中は幸か不幸か対応路線の中で運行障害の起きている路線がありませんでした。
(さすが日本の鉄道!)
クラスメソッド せーの様
AWS やスマホアプリ開発エンジニアなら必ず見たことがあるであろうブログ Developers.IO でもおなじみのクラスメソッドから、せーの様に具体的な実装イメージやサービスアイデアのヒントをご紹介いただきました。
なによりも UX の向上を
スマートスピーカーの登場により VUI (Voice User Interface) が徐々に広がってきましたが、音声だけのコミュニケーションには限界があります。
確かに音声だけで情報を一方的にダラダラと伝えられても鬱陶しいだけですし、住所を喋って入力しようとしてもほぼ100%の確率で誤認識するでしょうね。
VUI にこだわるあまりにユーザーが求めているのが優れた体験 (UX) であることを忘れてはいけません。
UX を高めるためには 「ユーザーが求めるものを求めるタイミングで提供する」 「ユーザーの想像を超える」 ことが大事・・・。
特に後者が個人的には難しいと思っていますが、そのヒントをせーの様は教えてくれました!
それは外部との連携です。
既存の他システム、VUI 以外の UI、IoT 機器、位置情報、複数のスマートスピーカー、音声信号ファイル・・・などなど。
こう考えると可能性が一気に広がったように感じます!
スマートスピーカーはあくまでも VUI を搭載したスピーカーなので、そこだけに固執しているとユーザーの想像は超えられません。
新しい UI の一つとしてスマートスピーカーを捉えると UX を意識したサービスが考えられるかもしれませんね。
また、せーの様が今回ご登壇いただいたことを早速記事にもしてくださいました。
講演の際の資料も一部掲載されていますので、ぜひご覧になってください。
「music.jp」のエムティーアイ様社内ハッカソンに行ってスマートスピーカーソリューションのアイデア出しをお手伝いしてきた。 #Alexa | Developers.IO
LINE 橋本様
日本製のスマートスピーカーとして期待されている Clova ですが、LINE という強力なメッセンジャーインフラとの連携も魅力です。
その開発に携わっている橋本様にスマートスピーカーのある生活イメージや未来像についてお話いただきました。
(Clova Wave や Clova Friends の CM はどれもいいですよねー!) ※個人の意見です
スキルが増えることでもっと生活は豊かになる
Clova に限らず、スマートスピーカーは開発元だけでなく 3rd party 製のスキル(アプリケーション)が存在します。
今後多くの開発者がどんどんスキルを開発、公開することでアイデアがアイデアを呼び、 スマートスピーカーや VUI が当たり前の社会になるだろう と語ってくださいました。
まとめと感想
スマートスピーカーの登場で VUI が少しづつ広まりを見せていますが、個人的にはどうも利用シーンが想像しづらいものでした。
しかし今回3名の方からお話をお聞きし、ちょっと視点を変えることで可能性が広がるんだなと思えました。
新しい UI の登場というある意味大きな変換点にいる今、アイデア次第でまだまだ進化していきそうです。
今回、弊社にお越しいただき貴重なお話をしてくださった飯塚様、せーの様、橋本様には改めてお礼申し上げます。
さて、ハッカソンではどんなサービス案が飛び出してくるでしょうか。
今から楽しみです。
ハッカソンの様子については、またの機会にご紹介できればと思います。
「小池よ、お前はハッカソンに参加しないのか?」
・・・はい、今回は運営側でございます ^^;