※この記事は「エムティーアイ Blog Summer 2026」の 6/24 分の記事です。
こんにちは、AI SRE部の上野です。
好きなThe Chainsmokersは「Don't Let Me Down」です。※Buildでゲスト出演した際に演奏いただいたので個人的に大満足です。
この度Microsoft Build 2026に参加させていただきました。もはや恒例となっておりますが今年もAIがトレンドでした。
イベントの詳細は社内メンバーにおまとめいただいておりますため、よろしければこちらご参照ください。
Microsoft Build 2026 参加レポート - エムティーアイ エンジニアリングブログ
目次
はじめに
イベントを通じて、LABというワークショップ型のセッションがありそちらに参加した際に、「Microsoft Foundry」(以後:Foundry)について興味が湧いたため、本稿ではその内容をまとめます。
個人的な主観になりますが、これからの時代のエージェント開発は以下の階層を組み合わせて作成すると考えています。
- Microsoft Foundryへのホスティング
- Microsoft IQ(Work IQ / Fabric IQ / Foundry IQ / Web IQ)によるグラウンディング
- エージェントの評価と最適化
- 継続的なPDCAとオートモードへの移行
特にこれからは品質はもちろん、速さやコストの観点も今後重要なファクターとなると感じています。
そしてFoundryは最初のレイヤーになりますが、まだ理解が浅いと感じているため、本記事ではまず第1のレイヤーであるFoundryを取り上げます。
本記事では Foundry の概要と個人的な推しポイントを簡単に紹介します。
Foundry
少し話は遡りますが昨年のアップデートによりAzure AI Foundry から Microsoft Foundry へ名称変更およびポータルも刷新されております。
今回記述するそれぞれは後者の「Microsoft Foundry」となりますため予めご承知おきください。
Model
Build 2026の情報からは11,000を超えるモデルが利用できるとのことでしたが、執筆時点に確認した限りでは、3442個が現在の全量のようです。
AI Model Catalog | Microsoft Foundry Models
もちろんリージョンやクォータによる制約がありますため、日本リージョン内のGA済みかつ最小構成に限ると、執筆時点で選択可能なモデル数は60個になります。
Region availability for Foundry Models sold by Azure - Microsoft Foundry | Microsoft Learn
またPhi や Fara といったMSプロバイダーのSLMに代表される軽量なモデルなどは現時点では候補には含まれません。
※Phi-4などは一部利用が可能なようです。
それ以外にも今回のBuildで発表のあった、MAIシリーズもまだ国内での利用は不可となります。
ただ、一般に需要の高いモデルは利用可能なようです。
また汎用モデルの利用のみの要件であれば冒頭述べたようにFoundryに拘る必要はないため、その場合はAzure OpenAIのご利用をご検討ください。
Model Router
Foundry の強みとして、当該機能が挙げられます。
Model router for Microsoft Foundry concepts - Microsoft Foundry | Microsoft Learn
バックエンド側でモデルの指定なく、用途に応じて適切なモデル選択をプラットフォーム側に委ねられるのは利便性とコストの面で優れていると理解しています。
Agents
本製品の核心部分になります。
Hosted Agents
個人的なお気に入りポイントです。
足回りをマネージドサービスで提供いただけるのは非常にありがたいです。
コンテナの作成から、各種プロトコルの整備、実行環境の制御などのような作業もなく、スケールやエージェント単位でEntra IDの払い出しも自動で行われることで、ユーザー権限の利用の必要もなくエージェント単位で権限操作が可能な点は好ましいと感じます。
Hosted agents in Foundry Agent Service (preview) - Microsoft Foundry | Microsoft Learn
Guardrail
推しポイントその②です。
Guardrails and controls overview in Microsoft Foundry - Microsoft Foundry | Microsoft Learn
UI上から比較的スムーズにポリシーの適用を即時実行できる点に関しては評価が高いです。
プリセットされている項目だけでも初期設計の時点では必要十分な項目が揃っていると感じました。
カスタムチューニングにも対応しているため用途に応じて設計可能です。
※一例

Monitor
推しポイントその③です。
Agent tracing in Microsoft Foundry (preview) - Microsoft Foundry | Microsoft Learn
Traceや各種Monitor関連がAzure系の知識が無くても直感的に操作できるように整備されています。
Evaluate/Optimize
Evaluate/Optimize の機構がデフォルトで組み込まれているのはありがたいですね。
特に筆者はこういったチューニングの知識が浅いため、予め組み込まれた評価ロジックなどがあると参考にしやすいと感じます。
Agent optimizer in Foundry Agent Service overview (preview) - Microsoft Foundry | Microsoft Learn
Tools
Foundryはプラグインとして様々な外部ツールとの結合が可能となっています。
Azure内で言えばCosmosDB や Azure Blob Storage などといったデータストアから、冒頭のMicrosoft IQ群などといった各種知識情報の連携も可能です。
Microsoft IQ
少し補足すると、ここで言うIQとは、AIエージェントに対しての知能層を意味します。
Microsoft IQとは以下4つのレイヤーで構成されます。
| カテゴリー | 主な対象データ・情報源 | 主な機能・役割 |
|---|---|---|
| Work IQ | Microsoft 365(メール、Teams、SharePoint) | 組織内のコミュニケーションやドキュメントから文脈を抽出。エージェントがユーザーの権限に応じた範囲で情報を理解。 |
| Foundry IQ | Azure内 (Blobストレージなど)の非構造化データ(PDF、仕様書、請求書など) | Azure AI Searchをバックエンドに使用し、データを自動的にベクトルインデックス化。エージェント用のRAG(検索拡張生成)を実現。 |
| Fabric IQ | Microsoft Fabric(OneLake、SQLデータベース、ウェアハウス、セマンティックモデル) | Fabric上の構造化データや分析資産をエージェントの知識として活用可能にする。データからアクションへのループを支援。 |
| Web IQ | 公開ウェブサイトの情報 | 高速かつ低コストな「ウェブ・グラウンディング」をサポート。AIエージェントの処理に最適化された最新エンジン。 |
付録
Microsoft AI
Microsoft AIについては執筆時点で多様なソリューション、製品があり、それぞれケースに応じて選定していくところからスタートすると思われます。
それぞれ判断材料として、LearnにCloud Adoption Framework (CAF) が提示されていますので、こちらを参照の上選択いただけたらと思います。
Create your AI strategy - Cloud Adoption Framework | Microsoft Learn
おわりに
Foundryの基礎概念については以上となります。
本来は今回新規で追加されたWeb IQ部分で実際にFoundryで使用した場合の所感やコスト感を把握したい意図でしたが、こちらについてはまた別の機会に取り上げたいと思います。