3日間で企画のコアができる「デザインスプリント」とは!?

※この記事は「エムティーアイ Blog Summer 2025」の 8/25 分の記事です。

はじめに

みなさん、こんにちは!テクノロジー本部所属の金子 椋です! 4月に新卒として株式会社エムティーアイに入社しました。

今回は、エンジニアとしての研修の一環で行った「デザインスプリント」について紹介したいと思います。

こんな興味はありませんか?

  • デザインスプリントって聞いたことあるけど、やったことがない。もう少し知りたい、少しやってみたい!
  • 短期間で企画や0→1のアイデアを生み出さないといけない。
  • 複数人で話し合って企画を進めるのが苦手。
  • 自分の発想に頼ってアイデアを出すことが苦手。

と思ったことがある方はぜひこのブログを読んでみてください、少しは、企画のハードルが下がるかもしれません!

目次

研修の流れ

5月頭から7月にかけての約3ヶ月、新卒エンジニア研修が行われました! 研修はフェーズが2部に分かれており、

  • フェーズ1: 知識インプット + 個人開発
  • フェーズ2: 0→1のチーム開発

のようになっていました。

今回、フェーズ2でどのようなプロダクトを作成するか決めるために、「デザインスプリント」が行われ、そこで使われたフレームワークについてご紹介します!

デザインスプリント実践

デザインスプリントとは?

デザインスプリントは、Google Venturesが開発した問題解決のためのフレームワークです。わずか5日間という短期間で、課題の明確化から、ソリューションのアイデア出し、プロトタイプの作成、ユーザーテストまでを一気に行うことで、素早く実用的なフィードバックを得ることを目的としています。デザインスプリントは主に、以下5つのステップを1週間(5日間)で行います。

※3~5日、2週間で行われているところもあるみたいです。

  • Mon:Map
    • ビジネスのゴール、顧客のニーズなどを整理。
  • Tue:Sketch
    • 問題に対するソリューションのアイデア出し。
  • Wed:Decide
    • 全員でアイデアを評価し、どれをプロトタイプにするかを決定。
  • Thu:Prototype
    • アイデアを実際のプロダクトのように見える形にプロトタイプ化。
  • Fri:Test
    • 実際のユーザーにプロトタイプを触ってもらい、フィードバックを収集。

今回の研修では、このデザインスプリントを研修期間を踏まえて、3日間で行いました!

スケジュール感:

  • 1日目:Map
  • 2日目:Sketch & Decide
  • 3日目:Prototype & Test

デザインスプリントで使ったフレームワークたち

HMW Questions

デザインスプリント固有のフレームワークではありませんが、よく問題を発見・再定義する際に使われるHMW(How Might We ~)Questionsというフレームワークを使いました。このフレームワークでは、インタビューで出た疑問や問題点を定型文に当てはめて書き出します。定型文とは、「どうすれば~できるか?」というもので、課題や不満をそのまま投げかけるのではなく、「どうすればできるか?」というオープンな質問にすることで、前向きに様々な視点から考えることができるようになります。

例えば、以下のようになります。 インタビューなどを通して、以下の問題を発見したとします。

  • 「ユーザーは毎日歩数を気にしてはいるが、継続が苦手」

これをフレームワークに当てはめると、

  • どうすればユーザーが自然と歩数を意識し続けられるだろうか?

となり、ポジティブな視点で問題の発見、解決策の提案に移ることができます。

HMWのポイント

HMWでは、「どうすればできるか?」というオープンな問いで問題を考えることができ、起点として、ポジティブに問題を考えるきっかけになります。アイデアを出していく最初の一歩であり、最初の問題定義の方向性を考えるうえで非常に重要であり、有効であるといえます。

example : HMWQuestions

Crazy8

アイデアを出す段階では、「Crazy8」というフレームワークを使ってジャストアイデア的に、アイデアをアウトプットしました。Crazy 8とは、A4用紙を8つの枠に分けて、8分間で8個のアイデアをスケッチするというスピーディな発想法です。制限時間があることで、考えすぎずに直感的なアイデアが生まれやすくなるようなフレームワークであり、アイデアに制限はなく、プレッシャーをあまり感じず楽しんでできるフレームワークとなっています。

Crazy8のポイント

アイデアの量や質、特に量に着目するフレームワークなので、絵の上手・下手は関係がないということです。なので、アイデアを出すということのハードルは下がるのではないかと思われます。また、人数制限も特になく、1人~複数人と幅広い人数で行うことが可能であり、他人とのコラボレーションという観点でも使いやすいフレームワークになっています!

example : Crazy8 (筆者撮影)

StoryBoard

アイデアがユーザーの生活で使われることを想定し、ストーリーを組み立てるStoryBoardというフレームワークです。ここでは、先ほど紹介したCrazy 8で出した案の一つを取り出し、3コマでストーリーを説明する形式で図と説明を並べて書きます。ポイントとしては、Crazy8と同様、アートではなくあくまで考える手段なので、絵の上手、下手は関係ありません。

StoryBoardのポイント

Crazy8からアイデアをさらに深堀していく段階で、自分のアイデアが実際どのように使われるかを想像することができます。その過程で、アイデアをミックスして、新しいアイデアを生み出すことも可能であり、幅広い場面を想像して、課題にアプローチすることができます!

example : StoryBoard (筆者撮影)

デザインスプリントを行ってみて

デザインスプリント行ってみて、以下を所見としてまとめてみました!

  • 発想の観点でいえば、0→1で何かを生み出すことは、天才的な発想で何か降ってくるイメージがあり、才能のある人にしかできないと思われがちです。しかし、デザインスプリントで使ったフレームワークやプロセスを用いると、自分の発想を手助けしくれることが非常にわかります。これは、どのように案を出すかなど、Howの部分をフレームワークで補い、WhyやWhatのような本質的な部分にフォーカスして思考を巡らせることができるからだと思います。

  • デザインスプリントを行ってみて、0→1を生み出す過程・プロセスを体系的に学べてよかったです。闇雲にアイデアを出すのではなく、そのプロセスに見合ったフレームワークであったり、考え方であったりを使うことで議論をスムーズに進めることができたと思いました。また、複数人でやってみたりすると、お互いのアイデアを見れたり、議論したりかなりアクティブな活動であると思いました。

おわりに

3日間で企画のコアができる「デザインスプリント」とは!?の記事は、いかがだったでしょうか?

研修の一環で「デザインスプリント」というものを行い、難しいなと思う反面、多くの場面でフレームワークというものに助けられたように思います。あまりここまで、場面に応じてフレームワークというものを使った経験はなかったので、非常に有意義な機会となりました。また、自分はアイデアを0→1で生み出す過程が好きな分、非常に充実した3日間であったと思います。また、開発者として、今後もしかすると0→1の企画に携わる機会は少ないかもしれないですが、今回、このようにチームで企画から開発まで全工程に携われたこと良い経験でした。

ぜひ皆さんも、短期間で企画を行う、0→1の案を生み出さなければいけない、という際は本記事で扱った「デザインスプリント」というものを取り入れてみてはいかがでしょうか?

ここまで読んでくださりありがとうございました!