こんにちは。エムティーアイの赤間です。
2024年の5月に開催されたMicrosoft Buildのイベントに参加してきましたので現地の様子や参加した印象について今回の記事でご紹介します。
サマータイムの時期なので日本とシアトルの時差は16時間あります。日本を17時に出国して現地の当日の10時に到着しました。
シアトル・タコマ空港到着のサウスサテライトから非常に長い歩道橋通路を徒歩で移動後、入国審査の前に荷物受け取りを済ませます。
俗にいうハイシーズンには当たらない時期ですが、Buildへの参加者も含め入国審査は非常に長い列が出来ていました。
初日はいわゆる時差ボケを強く感じながらMicrosoft本社のレドモンドの新キャンパス視察ツアーに同行します。 Microsoftキャンパスは東京ドーム43個ぶんもの広さがあり、早くもそのスケールの大きさに圧倒されます。
ゲスト向けに開放されているビジターセンターとMicrosoftカンパニーストアでの見学を済ませました。
ビジターセンターにはMicrosoftが設立されてからの歴史を辿るコーナーがあり、パーソナルコンピューター黎明期からの発展にMicrosoftが様々な貢献を行ってきたことが伺える展示物とともに、歴史を振り返りながらも今後のMicrosoftが描く未来についてのヴィジョンを感じ取れる展示内容となっていました。
シアトル初日は滞在先ホテルのチェックインを済ませたのち、翌日からのBuild参加のためのバッジを受け取る手続きを行いました。
Microsoft Buildは5/21~5/23の3日間の開催されました。 Day1はCopilotおよびAzure OpenAI関係のアップデートが中心となり、Day2にAzure関連サービスとAzure OpenAI連携に関するトピックが中心となっていた印象です。
Buildキーノートセッションだけでも非常に多くのトピックが並びました。 日本語版の要約については、ここで整理するよりもMicrosoft吉田さんが寄稿されているブログの内容で網羅されていますのでそちらをご参照ください。
キーノートをオンデマンド配信でご覧になった方はご存じの通り、当日はOpenAI CEOのSam Altman氏がサプライズで登場するシーンがありました。
残念ながら私が着席した位置からはプレゼンター用のモニターで視界が遮られてしまい、Altman氏の姿を直接確認することはできませんでしたが、Microsoft Buildに現地参加しイノベーションの最先端を牽引するAltman氏が同じ会場にいるという実感を肌身で感じられ非常に興奮した瞬間でした。
Altman氏の発言にあったように生成AIの登場はインターネット登場以来の大きな変革の時であり、あらゆるビジネスドメインの新規事業の可能性が大きく広がることはビジネスの上でも間違いがないものになってきています。
エムティーアイでもAIを活用したビジネス販路やテクノロジーの戦略がキーファクターとなり、この1~2年で大きくビジネス戦略とシステム開発の在り方も変わってくると考えています。
私は普段当社サービスのルナルナのSREロールのメンバーとして活動しています。 Azure上へのサービス設計・構築や運用保守の業務が多いため、GitHub Copilot for Azureには大きな期待を寄せています。
このサービスの登場により、自然言語と対話すること(あるいはイベントに応じてAPI駆動させること)で新規のサービスのIaCの構築やアプリのトラブルシュートを省力化できることが期待できるだけでなく、特に当社では既存領域で活用の多いSQL Databaseの自然言語クエリ対応によって既存業務を様々なシーンで効率化できるのではないかと期待しています。
業務上のひとつひとつの要素技術を手を動かして学習(経験)することも重要ですが、それら自体はやがて標準化されていく傾向です。 今後はそういった業務をAIを活用しツールチェイン化することでSREロールのエンジニアのトイルを削減し、サービス自体をより高い信頼性を持たせるように再設計、再定義することに注力したり、あるいは近年気運の高まっている外的/内的なセキュリティ対策の設計に注力できるようになっていくのではないかと考えています。
また今回のBuildでは生成AI利用におけるコンテンツセーフティの重要性をMicrosoftは強く発信していた印象も受けました。 現在のサービス資源に存在するセンシティブな情報資産が今後自社内のAIにも活用(モデル化)されることが想定されます。このようなシーンでは、プロンプトシールドやジェイルブレイク対策といった「意図していない使われ方」がなされないよう、綿密な設計とテスト計画が必要になってくると想定しています。
その思想が予めサービスとして組み込まれていることがAzure OpenAIの信頼性であり、ビジネスシーンでのアドバンテージになってくると考えています。
Microsoft Buildに現地参加し3日間キーノートや現地デモやセッションを受け、既存業務で使用しているAzureサービスへの理解が深まったとともに、既存Azureサービスに対してもAzure OpenAIとの連携によって更なる付加価値の創出とイノベーションの方向性を具体的にイメージすることができ、非常に刺激を受けた3日間となりました。
今後Azure OpenAIをはじめとした各種Azureサービスを活用した事例や、特にデータ領域でのAI活用の事例が増えてくることが想定されますので、より具体的な活用方法が今後当社テックブログでも寄稿される予定ですのでご期待ください。
本エントリーを最後までお読みいただきありがとうございました。