オンライン送別会を行いました

別れは突然やってくる

これは 8 月中旬のある日のこと。
暑かったかどうかは忘れてしまったが、涼しい日があった記憶はないのでおそらく暑かっただろう。

私は直属の上司を含むオンライン会議に参加していた。 弊社では実に 95 %以上の従業員がテレワークへ移行していて、私も 3 月下旬からずっと自宅で勤務している。 そのため、会議はもっぱら Microsoft Teams 1 によるオンラインで行うことが当たり前となった。

議題に沿って会議が進められていく中、最後に上司がこう言った。

「○○さん、 8 月末で辞めることになったよ」

私は驚きを隠せなかった。 彼が進路について悩んでいることは知っていたが、こんなに早く辞めるとは思っていなかったからだ。

あと 2 週間足らずしかない。 辞めることが決まった今、私にできることはひとつだけだ。

「気持ちよく送り出すこと」

私は人の出会いは一期一会であると考えている。 オフラインで集まるのは難しいとはいえ、送別会を行わないという選択肢は頭の中になかった。
となると答えはひとつ。 オンライン送別会 だ。

私はこの日のうちにチームリーダーへオンライン送別会を行いたいと相談し、急いで準備を進めていくことになった。

はじめに

はじめまして。 IT エンジニア部の川口と申します。
中途で入社してもうすぐ 2 年経ちますが、弊社のエンジニアブログに投稿するのは初めてです。

「である調」の文体は文章力がないのでここまでです。
湊かなえさんのエッセイ集 2 を読み、無性に小説のような文章を書きたくなったのです。

業務では iOS アプリの開発を中心に行っているエンジニアですが、本記事では一切出てきません。
先日「オンライン送別会」を行い、それについて準備したことや感想を紹介します。

オンライン送別会の準備

オンライン送別会の準備で行ったことがいろいろあるので、順を追って紹介します。

参加メンバーの選定

まずは参加メンバーの選定です。
チームリーダーとチャットで相談した結果、「同部署のメンバー + 上長」で行うことに決まりました。

日程の調整

参加メンバーが決まったら、次は日程の調整です。
「調整さん 3 」というサービスを使い、参加メンバーのスケジュールの空き状況を確認しました。 私がプライベートでも愛用しているサービスであり、調整さんによって迅速に開催日を決められました。

せっかくなので調整さんを使うときのコツを 2 つほど紹介します。

  • 必須参加者(今回の場合は退職者)に予め空いている日を聞き、その日のみ選択肢に用意する
    調整さんでは選択できる日を幹事が設定できる
    選択肢が多いと回答が大変だし、幹事としても見づらいため、開催できないとわかっている日は予め削っておくのがいい
  • 幹事が先陣を切って回答する
    人とは不思議なもので、最初の一人になりたくない傾向がある
    幹事が先に回答することで、回答のハードルが多少下がる

時間の設定

時間は 19:00 開始の 21:00 中締めに設定しました。
オンラインの交流会でよくある失敗として、終了時間を決めずに延々と続くことが挙げられます。 家庭の事情などで長時間参加できない人もいると思ったので、予め終了時間を決めて中締め後は残りたい人のみ残れるようにしました。

テレビ会議ツールの選定

オンライン送別会ならではの準備です。
複数人でテレビ会議できるツールはいろいろありますが、無料だと時間制限があったり、よさそうだけど使い慣れていなかったりします。 無難に業務で使い慣れている Microsoft Teams で行うことにしました。

送別品の選定

送別品は悩みました。
手渡しできないので、最初は Amazon ギフト券を渡そうとしたのですが、人によっては心がこもっていないと感じるかもしれません。 他のメンバーと意見を出し合った結果、退職者の好きな運動に関わるものを送ることにしました。 チャットで住所を聞き、 Amazon で注文して送りました。

寄せ書き

寄せ書きも悩みました。
「オンライン 寄せ書き」で検索したところ、よさそうなサービスはあったのですが PDF にするのも有料でした。

そこで Figma 4 を使ってオンラインで寄せ書きを埋め、全員が書き終わったら PDF にすることにしました。 最近 Figma を使っていて慣れてきていたので、私が色紙をデザインして文字を埋めるスペースを作りました。

ただ編集するには Figma へのログインが必要なのと、慣れていないと文字の入力が難しいので、結果的に半数以上の人は書きたい文章を聞いて私が入力しました。 Figma に慣れているチームでしたら直接編集してもらうのでよかったですが、そうでない場合は最初から自分で埋めたほうが混乱させなくてよかったと感じました。

稟議

弊社ではオンラインの交流会でも経費として精算できます(上限あり)。
稟議が必要なので、私がまとめて書いて提出しました。

当日

準備ができたらあとは楽しむのみです。
私はトラブルがあって 5 遅れてしまったのですが、盛り上がってとても楽しかったです!

話していて思ったのが、口頭で雑談するのが久し振りだったので、それだけで嬉しかったです。 チャットで雑談することはありましたが、飲み会でなくても定期的に口頭で雑談する機会があってもいいと思いました。

寄せ書きは 21:00 の中締め時に PDF で渡しました。
こちらが実際の寄せ書きです。

中締め後も 22:00 前まで残った人でお話ししていました。
たくさん話していると、やはり実際に会って話したくなってきます。 実は、私は今回の送別会に参加したメンバーの誰一人と直接飲みに行ったことがありません。 私が異動(所属は変わっていないのですが、便宜上「異動」とします)したのが今年の 1 月で、それからすぐにテレワークが推奨となり、飲みに行くタイミングを逃してしまいました。 早く落ち着いてみんなで飲みに行ける日が来てほしいです。

後日: 送別品の到着

送別会の翌日に送別品が届いたとのことで、写真を撮ってもらいました。

おわりに

直接会って送別会を開けないのでオンラインという形になりましたが、退職者が喜んでくれたら私としては嬉しいです。
辞めるのは寂しいですが、お互い成長して会える日を楽しみにしています!


  1. Microsoft が提供しているコミュニケーションツール。 https://www.microsoft.com/ja-jp/microsoft-365/microsoft-teams/group-chat-software
  2. 『山猫珈琲(上・下)』(双葉文庫、2019 年)
  3. 日程調整ツール。 https://chouseisan.com/
  4. デザインツール。複数人で同時に編集できるのが特徴。 https://www.figma.com
  5. スマホのみ持ってお酒を買いに行ったら年齢確認されて買えず、運転免許証を取りに帰りました。若いと思われるのは嬉しいですが、財布を持っていないときに限って聞かれてタイミングは最悪でした。